4. 桜とおばあちゃん

役場を後にして、静かな野沢駅に戻り、駅を背にして商店、住宅が並ぶ通りを
国道4号の方にゆっくり進むと右手に石柱に常泉寺の字が刻まれていた。
 「ここだ。」と境内に入り、辺りを見渡すと本堂と母屋があるが
古木の桜らしいものが見当たらない、本堂の後ろを探しても、それらしきものも無い。
もう一度、役場で戴いた資料を確認したが、やはり、常泉寺所有となっており間違いがない。
 兎に角、住職に尋ねてみようと母屋の玄関の戸をカラカラと開け中に入らせて頂いた。
 「こんにちは・・こんにちは。」と3・4回呼ぶと、小柄な背を丸めた。
おばあちゃんが「は・い。」と 出て来てくれた。
 「お尋ねします。ここに化けさくらがあると聞いてきたんですが何所にありますか。」
 「ああ、そこだと。」答えが返ってくると心で期待をしていたが。
 「わかんねす。」と以外の言葉が戻っていきた。
化け桜
「えっ。」と、こころでおもいながら、もう一度たずねてみた。
 「さくらなんですが古いさくらがここにあると聞いたんですが。」
 「わかんねす。」
 「ここは、常泉寺さんですね。」
 「はい。」
 「常泉寺さんにさくら、化けさくら、古いさくらあると聞いたんですが。」
 「わかんねす。」
諦め切れず。
 「住職さんか、他の内の人はいませんか。」
 「出かけていて誰もいないす。」
 困ったと思ったがしょうがない。
 「ありがとうございました。」
 「ご苦労様でした。」
と申し訳なさそうに答えくれた。
 玄関の戸をカラカラと閉め外へ出た。家の周りをさくらの古木の桜が無いか探しながら、
地図と資料をにらみ通りの石柱まで戻り常泉寺を確認した。
 「間違いない。」
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