16. 天然記念物に注意

上羽出庭の夏井二小学校を過ぎ宮作で県道136号と合流して五ノ神をすぎると平田町に入った。
僕は、マーちゃんが後ろのウインドーを開けてくれて、外の空気吸っていたんですが
どの辺で平田村になったかは漢字が読めないのでわかりませんね。
 「ちょっと、道路脇に古そうなさくらがあるわよ。」
 「そうだね。阿部さんの資料にないが、スピード落として徐行してチョウダイ。」
 キキーと急ブレーキ、今度もぼくは後ろの席の背もたれに吹っ飛んだ。
頭と左肩が背もたれにめり込んで、クッションで撥ね返って、また、座席の下です。
 「シュナごめんね。ケガなかった。」
とマーちゃん
 2回目なので犬がゴロンゴロンで格好が付かないので
直ぐにピョンと痛いのを我慢して後ろ席にもどった。
 「シュン偉い。車行き過ぎた、バックバック、
まって、まって後ろから車が来る。オーライ、オーライ」
庚申桜
 サクラと言うのでマーちゃんが座っている運転席側の
後部座席のドア窓から覗くと僕にとっては、
排気ガスの墨でも塗ったように立っている古木だけなのに。
 「天然記念物と庚申桜と書いてあるよ。平田町の天然記念物かなあ・・
荒井さんに調べてもらおうーと。」
と蕾がピンクのさくらをひーちゃんは、しゃがみ込んだり、遠く離れたりして
バカチョンカメラのシャッターを押すと、自動でフラッシュが
辺りを明るくしながら何枚も撮って戻ってきた。ランクスくんのドアをバタンと閉めると
「サー行こう。」
と言いながらシートに座ると同時にマーちゃんがアクセルを踏んだ。
 かすかに聞こえる僕の耳に、
 「かの、え、サルじゃないミニドック、黒墨だけじゃ無わい。
白く化粧した時、“またその日”にオイデ。」
と聞こえた。
庚申桜の写真はこちら

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