14. 4本足なのに、油断大敵

ぼく達は提灯祭りの桜を後回しにしてひーちゃんの目的地である平田村に急いでいる。
ランクスくんは、マーちゃんがドライバーという訳でもないが
“何処までも行こう”を口ずさみながら快調に走っている。
 「まもなく、永志田のはずだが、あそこだ、
平田町と標識にも書いてある。右にもどってチョダイ。」
 「何の言葉、右ね。」
 めずらしく、マーちゃんママが、アクセルとブレーキを一緒に踏んで
キキーキと音を鳴らして右折した勢いで、後ろのシートに後ろ足、
物入れボックスに前足とライオン立ちしていた僕も、頭が振れて、
前足が滑って、後ろ足で踏ん張ってみたものの、
後ろの座席下に半回転して背中から落ちてしまった。
庚申桜
「はっははあ」とひーちゃんが笑った。
 ランクスくんも意地悪く、
 「うっふ。シートベルとをしてないからさ。」
と低い声。
 ドックのシートベルトなんか無いのに、背中打っちゃたよ。
 「あーら、シュンちゃん可愛そうね。ひどいダンナさんね、
痛くて怖がっているのに、笑ったりして動物だからと言って思いやりが無いんだから。」
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