4. 櫻の宴

枝垂れさくらの白飾りの下を通り、農協の倉庫の前に車を止めて、
一緒乗ってきた犬のミニチャーシュナウザーのシュナを抱っこして外に出ると、
もう一台の宮城ナンバーの車が同じように車を止めて、
4人の中年のおばさん、おかあさん達が車から降り立ち。
 「三春のさくらより小さいね、でも真っ白、綺麗。」
 「久保櫻、白鷹の櫻もいいけどここも良いね。」
 「きょうは、上山温泉でゆっくり。」
と楽しそうである。 
 抱っこしたシュナくんがご婦人たちの冠高い声に驚いたか、
櫻の美しさに感銘したのか、抱っこしてる腕に尻泉液をひっかけた。
 櫻の近くの小さな堰っこで、シュナを置き、腕を洗い、顔を上げると、公民館が真近くに見える、
権現堂公民館と書かれてあり、開けはなれた玄関の上がり端に
木製細い長座卓に受付の紙が張られ、年配のおじさんが座っている。
権現堂のさくら
右奥の畳の部屋に長座卓が2列に並べられ、
馳走が入った折りがその上に載っていおり、櫻の花の宴を待っているようである。
 また、シュナを抱っこして、権現堂の櫻と記されている木柱の前を通り、
道を横断して、櫻が一番美しく眺められる、田んぼの畦に上がった。
 白化粧の花嫁がうれしさと、父との別れに頬に伝わる幾腺の白い涙のように
しなやかに美しい櫻である。
 シュナも両手を上げ眺め、美しさを共感していたつもりが、急に何を思ったのか、
後ろの畦を走っていった。
 「ストップ、まて。」
でも走っていく、田んぼの端まで走って、止まってクンクン何かを嗅いでいる。
 やっと追いつき後ろを見ると、白い、白い、白い枝垂れ櫻が権現堂公民館を覆うようであり、
今にも祝いの唄が聞こえそうである。
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