「桜は未だ、早いよ。」

兎に角、ひーちゃんは、方向音痴なのか、頑固なのか分かりませんが、集落
の道を進みます。
信号があり、広い道に出ても、付きぬけ細い集落の道を上って行きます。
まーちゃんも何処まで行くのとあきらめ顔をしています。
ひーちゃんも、さすがに不安になってきたのか、
 「もっと、上かな、過ぎたのかのかなー。」
との呟きが聞こえて、フロントのガラスを見ると、未だ若いしだれ桜が3部咲きで見え、
家の前でおじさんが庭の手入れをしようとしています。
 「見滝寺は未だ先か、聞いてくるよ。」と言って、アイシスさんを止め車から降りました。
マーちゃんから、窓を開けてもらい叔父さんとの会話を聞いてみますと。
見滝寺のしだれ桜
 「この先、暫く行くと、広い道に出るから、左に曲がって少し行くと左だー。
 桜かい、此処でコンナもんだから、まだ早いよ。」
 「あ、そうですか、ありがとうございました。」とひーちゃんはお礼を言い、
ホッとした顔して戻ってきた。
 「未だ、先だって。」と言ってハンドルをまた、握りました。

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