2. 坂の上の000さんトコの桜だよ

秋田道の北上西インターのゲートを3人の乗った車が出た。
 「インターを出て真っ直ぐに行ったと記憶しているんだけど。
信号あるね、広い道路を横切って。真っ直ぐ、真っ直ぐ。」
 「カメさん、この道はーー、何時か来た道だと思うけど、
どうー見ても農道だよ。前を見ても田んぼだよ。」
 「あれー、違うかな、真っ直ぐと記憶していたんですが、
坂を上った所に在るんですよ。道が違うようですね。
ユータウンして広い道路に戻りますね。」
と広い道まで戻ってきた。
 「インターから、左に曲がったんっだったかね。右に曲がって見ますよ。」
 「そー、慌てずに行きましょう。」
 「やっぱり、広い道を真っ直ぐ、真っ直ぐなんでしたね。
そして、川が有って橋を渡るはずなんですよ。
あった、橋がありました間違いは無いですが真っ直ぐな筈が大きくカーブしてますね。」
 「カメちゃん、一本道と言うことだ。あんまり気にしないていいよ。」
鳥谷脇の桜
「交差点、信号があるね。確か右に行ったと記憶してるから、右に曲がりますよ。」
 集落の中心と見受けられる建物が連なっている交差点を右折した。
 「カメちゃん、聞いたほうがイイんじゃない。丁度タクシー会社があるよ。」
 「そうだね。」
 「私が車いる運転手に来てますよ。」
と車を降りタクシー会社の事務所と同じ建物の屋根付き駐車場に止まっている
タクシーの運転手に尋ねた。
 「スミマセン、横川目はどの辺ですか。」
 「ココだよ。」
 「あ、ここですか。じゃあー、鳥谷脇の古木の桜はどの辺ですか。」
 「さくらかえ、000さんトコの桜だよ。」
 「000さんってどの辺ですか。」
 「その信号を右に行って間も無く左に上がる道があるよ。そこだよ。」
 「そうですか、有難うございました。」
と礼を言って車のドアを開けようとして道端を見ると“和賀役場跡”と書かれた
小さな碑が「よく来たね。」と微笑んでいるようである。

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