3. この道違うみたい、また、ふきのとう

左に曲がって右の道かな、ブーと住宅が点在する案外広い道を上って行ったが、
一番奥の家を過ぎると上り道が急に狭くなった。
「草岡の桜は見当たらないなあー。案内板もないよなー。
シュン介、桜のニオイしないか、道間違えちゃったよ。」
と、ひーちゃん。
「もっと奥じゃない。でも、案内板がないからね。ユータウンね。
何軒かあった家に聞いてみたらー。まって、まってね。フキノトウがあるわ。
この辺ヤハリ寒いのね。待っててね。私採ってくるからね。
シュンちゃんとだんなさんは飴でも舐めて休んでてね。」
と、まーちゃんはランクスくんのトランクに積んであった長靴に履き替え、
手袋を両手にはめて、ポンポンと残雪がある土手の方へ行ってしまった。
ぼくも追いかけていきたいですがダメらしいです。
ひーちゃんは飴を舐めて、ラジオの音楽を聴きながら椅子を倒してうたた寝です。
暫くすると、まーちゃんは両手一杯に少し伸びたふきのとうを採って戻って来きたんです。
「さー、Uタウンして桜のとこに行きましょう。でも、何処かな。」
「じゃー、ポツポツある家に草岡の桜の場所を訪ねてくるよ。車をUタウンして着いてきてね。」
と、ひーちゃん。
草岡のさくら
ぼくは心配げに後ろの座席の窓から顔を出し、ひーちゃんの姿を追うと、
道沿いにしか並んでない一番奥の家を訪ねましたが、
留守のようなので直ぐに引き返して、歩きながら両手で大きくX(バツ)で合図して、
少し離れている隣の家の玄関戸を開けて話をしていましたが、
また、Xで合図しながら車に窓腰でに戻ってきて、
「家に嫁さんらしい人が居ることは居たんだが、草岡のさくらの事が通じないんだよ。
外国からきた嫁さんらしかったよ。」
「あーそうー。下の隣の家の前に誰か居るみたいよ。」
 「そうー。じゃー、行ってくるね。」
と、ひーちゃんは、雪解けの水が踊りながら側溝堰を流れを眺めながら隣家を訪ねた。
ランクスくんは、家の玄関が見えるように道に停車してくれている。
玄関前まで行くと後ろの作業小屋からトラクターを出して農作業の準備をしているおじさんと
小屋から一輪車を押して玄関の方に来る息子さんがいた。
ひーちゃんは少し作業小屋に歩いたところで一輪車のハンドルを
握りパナシ息子さんと立ち話をして戻ってきた。
「桜はすこし下って左に行くとあるんだって。県道で曲がるのが早すぎたんだね。」
 「ジャー、出発ね。」
と、マーちゃんの声で僕たちは、雪解けの踊る冷たい堰の水と競うように坂道を下って行きます。
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