‘阿武隈高原さくらの旅 ふたりとミニドック’カテゴリーのアーカイブ
2004 年 6 月 23 日 水曜日
僕たちは県道349号沿いにある永泉寺のさくらの案内板から入るとですね、
お寺さんがどうぞと迎えてくれるんですよ。お寺さんの左に
3分咲きの枝垂れさくらが枝を地面近くまで垂らしていて、
どうぞどうぞと枝を振っているんです。
ランクスくんは、野菜を積んだ軽トラックがポツンと一台休んでいるだけの
2.30台も止められそうな広い駐車場にゆうゆうと4輪を休めた。
ひーちゃんは、阿部さんのさくら一覧表とバカチョンカメラをもって
ワタワタとドアを開けてさくら目がけて急いで行く。
僕が思うのにそんなに急いでどこに行く、
桜は根っこを張っているから逃げないのにと思うですが。
「シュンちゃんも外で少し遊んでいきましょうね。」
とランクスくんのドアを開け外に出してくれた。

ぼく一目さんに駆けたがひーちゃんの後は追わないでね、
寺の右手にも若い枝垂れ桜がある所に食べ物でもあると思って駆けていったら、
なにもないんです。仕方ないから、気の毒だ思ったですが
根元にオシッコをさせて貰ってね後ろを向くと
ズラッと並んでいる地蔵さん達が笑っているんですよ。
「シュンちゃんそんなに走ってだめ。ダンナさんの所へいってみなさい。」
僕は僕と家族しか居ない境内を自由クンクンと散策していると、
関西ナンバーの車に乗った夫婦、また3人の女性が乗った関東ナンバーの車がやってきた。
どうやら、三春の滝さくら見物の後らしいんです。
「シュンちゃん。行くわよ。6時前よ、三春に行って夜桜見物よ。」
マーちゃんに抱っこされて振り向くと「わたしと親戚の滝桜によろしく」という声が聞こえた。
永泉寺のさくらの写真はこちら
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2004 年 6 月 16 日 水曜日
高山舘の提灯、幟、艶歌に送られ、
大越方面に向かって県道349号を西に急いだ。
休憩したコンビニを過ぎ高速道小野インターを通りすぎ、
吉野辺の種まきさくらとは2度目の出会いです。
ひーちゃんは、カメさん、長岡さん、荒井さんと眺めたのを数えると3度目である。
ドイツのシュナウザまた会ったなあとのサクラどんの声が風に流されていく。
峠の坂の爽やかな高原のそよ風に後押しされながら、
ランクスくんは、峠の坂を快調に走っているはずなんですが、
ランクスくんはひーちゃんから首根っこを押さえられているようにハンドルを硬く握られ
デカイ足でアクセルを思いっきりフンずけられて、
1500ccの全パワーを出し切って頑張っているのです。

風越峠の頂上を上りきったランクスくんは、
ひーちゃんから少し力を緩められトンネルを通過した。
今度は下りの坂だ、余りスピードを出すなとばかりにブレーキを踏まれながら走っている。
「風薫る田園地帯ね。峠のから1.5kmぐらいの所の左手に
高山舘のさくらがあるって言ってたわよね。もうそろそろね。
あったよお寺らしき建モンがあれよきっと永泉寺のさくらよ。
やっぱり、案内板があるわよ。そこから左の道に入っていってね。」
とマーちゃんが道案内である。
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2004 年 6 月 9 日 水曜日
県道286号の坂道を下り比較的平坦な県道349号を
左折し2時間前程通った道を北西に向かってランクスくんは
ひーちゃんの大きな足にアクセルを踏まれ
目的地の大越町を目指しスピードを上げ走っていると、
前方からスピーカーから歌謡曲が聞こえて来て、
幟が数本と赤白の提灯に囲まれれた8分咲の桜が見えてきた。
「後でと言ったさくらだわ、古そうよ。あら、寄って行かないの。」
「そうだね、見ていこうと」
ひーちゃんは2・30m過ぎたところでランクスを止めるとカメラ、
カメラというひーちゃんに釣られてマーちゃんも桜見物に車を降りて出て行った。
「おい、シュンタこの分だと家にもどるのは、真っ暗になってからかも知れないなあ。
一寸暑くなってもいるし、僅かの時間でも休んでいようーと」とランクスくん。

後ろを見るとひーちゃんが写真家でもないのに格好をつけ
パシャバシャ写真を撮り終えると今度はメモを録っている間にマーちゃんが写真屋さん。
「延命子育て地蔵さんだって、真っ赤な帽子に真っ赤な衣に身を包んだ地蔵さん達と
400年の高山舘桜のさくら祭りだね。」とひーちゃん
「幟にも子育て地蔵と書いてあったわね。東京にいる邦人も家にいる次男の陽次も
元気に大きく育っているからね、手を合わせてきたわ。」
邦ちゃん、陽ちゃんの事が出たので二人とも今何しているかと思い僕は会いたくなった。
また、出発だ。
「せっかく来てくれたんだから、お酒でも飲んでいったらいいのに」
と桜のさそい声が僕に聞こえた。
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2004 年 6 月 2 日 水曜日
すれ違えないデコボコ農道をランクス君が脱輪でもしたり、
腹が地面に付き動けなくなったったりとの心配をよそに、
さすがひーちゃんランクス君のハンドルをうまく捌き、
鉄工所まで戻り国道49号で出ようとすると、
「なーんだ、小学生が描いたような岩倉さくらの絵と、平成七年度たんぽぽ運動の看板だ。」
と、ひいちゃんが言った。
ランクスくんに乗ったひーちゃん、まーちゃんとミニドックのぼくは、
49号に出るとスグに県道136号に左折して小野町に引き返した。
何か言いたげな沢名のさくらの前を素通りして県道286号に
乗り山の坂を下りながら先を急いでいると、
「来るとき見た、山の八百屋さんがあるわよ、山菜汁があるかもしれない寄っていくわよ。」
とまーちゃん。

駐車場に乗り入れ、僕とランクスくんを置いて、まーちゃんとひーちゃんは
にわか造りの八百屋さんの中に入って行った。右手に倉庫があり、
構造改善事業とか僕には難しい漢字に書かれており、農作物がここから運び出されている。
しばらくすると、ひーちゃんとまーちゃんが大根、たまねぎ、漬物、こんにゃくなどの
野菜を買って戻って来た。
「山菜汁なかったわね。おトイレ何処かね。」とまーちゃん
「事務所にあるんでないかなあ、ぼくも済ましとこう」と云って戻っていった。
少しすると、「シュンちゃん喉渇いたでしょう。」とスポーツ飲料を少し呑ましてくれた。
「出-発。」とひーちゃんの声でランクスくんはブルっとして走り出した。
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2004 年 5 月 26 日 水曜日
「小さな石碑や地蔵さんがあるよ。へー道、間道らしきものが
山に向かってあるから一寸行ってみるよ。」
と上杉林の手前でひーちゃんの大きな声がした。
「シュンちゃん、ダンナさん一人じゃ心細いから一緒に入ってみて。」
とマーちゃんに言われたが、僕もそのつもりだったので猛スピードでかけ上っていくと、
ひーちゃんは石垣らしい跡がある間道らしき道を上っていた。
僕は、ひーちゃんの後を付いていく、なんか薄暗い杉林の中、
杉倒れて道を塞ぐ、山の頂上を目指すのだろう道跡が杉林が過ぎると雑木がトウセンボー。
「帰ろう。シュン、熊でも出たら大変だ。」
とひーちゃんが引き返したのでホッとした。

ランクスくんの所へ戻ると
「昔の道かな、この桜も道しるべかなあ」
とひーちゃん。
まーちゃんが
「あーそう、フキノトウ採ったし行きましょうと」
とドアを開け車に乗った。運転手交代ひーちゃん運転である。
「ちょっと待って後ろを見るから」
とマーちゃんはランクスくんを降り後ろで車掌さん。
「バックオーライ、あまり後ろに来ないで、オーライオーライ」
ランクスくんもヌカルミ、ヘコミに入らないように慎重に元来た道に顔を向けた。
「ジャー、安全運転」
とマーちゃんが助手席に座りシートベルトを締めるを確認してひーちゃんはユックリと出発した。
僕の耳に、
「道々、気をつけてお帰り、満開だと感動したのにね。」
と聞こえた。
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2004 年 5 月 19 日 水曜日
岩倉さくらの周りは一応綺麗にされて僕にとっては
運動場のようなもんですが、駐車場らしきもんが無いです。
ランクスくんは、平らな場所で余り奥行かないよう注意して止まった。
もしも、タイヤが滑って出られなくなったら、
ひーちゃんに「力無しでダラシナシ」と怒られたあげく、
整備工場のレッカー車君に世話にならなければならないと困るだって。
ぼくもね、足が速いから整備工場まで走れと言われると泥まみれで困るなあ。
ひーちゃんは今、さくらの太い幹や、枝ぶり、全景をバシャパシャと
バカチョンカメラのシャッターを押してさくらの周りをウロチョロしているんです。

マーちゃんは、チラット町指定の天然記念物であるさくらをチラット見ていたんですが。
「あーら、わたしの大好きなフキノトウが出ているよ、
誰かここに来て採った跡があるけど、まだまだ、採れるからシュンちゃん手伝ってと」
トランクの中にある手袋を取り出し、後ろの席のドアを開け僕を外に出してくれた。
でも、ぼくは、フキノトウのニオイが嫌いなんですと、小さな声で言って、
ひいちゃんの所まで全速力、マーちゃんの所に滑り落ちる楽しいな。
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2004 年 5 月 12 日 水曜日
鉄工所の敷地から、やっと車が通れる農道をランクスくんは、
脱輪でもしたら、この一家の一員としておいて貰えなくなると
悲壮なまでも神経を研がらかし進んでいく、僕までも手足に汗をかいている。
もっとも、ドックは、狼が先祖で舌と手足しか発汗機関ないんで
暑い時にはハハーと舌をベロン出してるんだよと、ひーちゃんが言っていたが
本当かどうか分かんないです。今チョト暑いでベロでもだしたらね、
ひーちゃんのゲンコツが飛んできそうだなんだ。
ランクスくんは、西に200m程真っ直ぐな農道から直角にゆっくりと走って進むとね、
直角に近いカーブを右に曲がる、また丁字の細道があってね、
サクラはこっちだよと矢印が右をさしている。

道は、土手の下にクニャクニャと更に細くなったばかりでなく、
上下運動まで酷い縦揺れ、横揺れの道でなんですよ。
前から耕運機でも来たらドウシヨウ右側は田んぼで脱輪でもしたらね
上がれなくなって、先ほど桜の場所を教えてくれた整備工場まで
僕が走らなければならなくなりそうで心配しているんですが。
「まー、何とか通れるね。ケッコウ桜までの距離があるわね。
歩いたら時間かかるよね。」とマーちゃん
「運転代わろうか。」とひーちゃん
「大丈夫よ。」とマーちゃん。
ガタボコ、ノロノロと土手の下の農道を400m程進むと、
スーと蕾の両手を振って“よくきたわね”と歓迎してくれる岩倉ザクラが見えたんですよ。
「ホッ」
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2004 年 5 月 8 日 土曜日
馬場の桜に僕は一礼をするか否かランクスくんは自動車整備工場を出て走りだしている。
逆もどり、信号機横断歩道を過ぎても鉄鋼社が見えない、
「あれだな、倉庫みたいなデカイ建物だなあ鉄工社ともで書いてあるよ。
何んだ小野町から来た道からスグだったんだ。」
「どこから入ればいいの。」
「建物の前に通路があるよ。入ってみようよ。左に入ってください。」
僕も心配しながらもシッカリ両手両足をガシット踏ん張っている。
鉄工社の敷地に入っていくとね、鉄工社の敷地らしいんです。
ジーと見ると敷地の左端に岩倉ざくらはコッチと小さな案内板が立っていてね、
その先に軽トラックか耕運機一台がやっと通れる砂利道があるんです。
歩く、走るは、僕の出番と張り切っていると。

「農道を車で行って見ましょう。歩くよりいいんじゃない。
それに桜の季節にはまだ早いので車は来ないと思うよね。
もしか農作業車正面からきたらニラメッコしようね。
それでもだめならダンナさんと運転チェンジ。
500Mもバックしたたらいいんじゃない。行きましょう。」
ええーとぼくは、驚いた。マーちゃんはオフロードが得意、
スピードもOKレイサーの素質あるんじゃないかなあ。
「オイ、トヨタ ランクスお前の真骨頂をみせろ。」とひーちゃん
「おおーす。」とランクスくんの声が僕の耳に聞こえた。
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2004 年 4 月 28 日 水曜日
「バック、バック、後ろの整備工場でユータウンさせて貰おうよ。
整備の仕事している人に岩倉さくらの場所も聞いてみるよ。」とひーちゃん
「車がくるからね。後ろをよくみててね。」
「オーライ、おーらい。一寸待ってね。断ってくるから。」
「シュンちゃんも後ろをみててね。危ないときはワンワンワンだわよ。」
「OKだって、岩倉さくらもヤッパリ後ろだって、車を中に入れてユータウンだ。
場所を詳しく聞いてくるね。」
整備工場の敷地で車をユータウンして、
僕はダンナさんがさくらの場所を聞くのを窓から顔を出して見ていると、
整備工場の人は4月19日と言うのにスノータイヤを交換している。
ランクスくんに聞いてみると山形でも3月の末である。
この辺は雪でも多いのかと独り言をしゃべると、

ランクスくんは、
「ここは、福島だよ。きっとさあお客のタイヤ交換や、
整備で忙しく自分の車が遅れたんだよ。ダンナさんパパが戻って来たよ。」
ひーちゃんがドアを閉めて助手席に座ると、
「えーと、もと来た道をもどり、信号機、横断歩道を過ぎると左側に鉄工社があるんだって、
小野町からきた道の交差点のすこし手前らしいが、その鉄工所から入るだって、
その奥にが狭い農道で車は無理だそうだ。歩いて10分ぐらいかかるらしい。
さくらは馬場のさくらより姿形が良いって、そしてねこの辺は、
福島でも一番桜が咲くのが遅いんだって。」
「ああー、そう、じゃあ行きましょう。シュンちゃん出発よ。」
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2004 年 4 月 23 日 金曜日
「鼻が悪いなんて、犬より嗅覚がよけりゃアメリカンドックだよ。わっはは。
信号機に横断歩道だ。あーこの道は何時か来た道だよ。国道49号に間違いないよ。
高速道路が出来る前は郡山からこの道路を通っていわき市に仕事で
何十回も往復しているよ。小野町から入ったんでどの辺か解かんなかったなあ。
左の方だと思うんだが、奥のほうに家がある樹木があるがさくらで無いし。」
「行き過ぎたのと違うの、左に自動車整備工場があるわよ。戻ってみたら停車します。」
「ワンワン」
「シュンちゃん右で無いらしいよ。左を見てね。エー右手に桜が見えるわよ。あれじゃないの。」
僕には本当は桜の香りはわからないんだよ。マーちゃんが言った通り、
僕も行き過ぎたと思ったから頷いただけなんだ。
ひーちゃんは、と阿部先生の桜の資料とを持って車から飛び出し戻ってきた。
「岩倉桜でなく、馬場桜だって。」
「エッ、馬鹿ざくらあ?」

「ババーじゃあない馬場さくら」と言い残して、今度は、バカチョンカメラを持って
車の往来する隙間を縫って道路を渡り三分咲きのさくらのアングルを考えて
バシャバシャとシャッターを押している。
ひーちゃんの話によると村指定の天然記念物で樹齢700年もたっててね、
根元から4本の幹に分かれていて、一本が腐れたして、カットされ
樹脂で固められていたってさ、またね、残っている3本の幹の一本が49号に懸崖のように
道路に突き出してイタって、そして、神社があるのか鳥居と階段があったってさあ。
「おい、髭犬さん、俺だって馬鹿みたいに廃棄ガスを毎日毎日吸ってさ、
幹が枯れてもツッ立っているのはさあ、お前さんのように歩けないからショウガナイのさ、
でも、満開に咲くとさ、綺麗だと頷きながら通っていくよ。この時は男冥利さあ。」
「わんわん」
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